日々の雑文

アラフォー独身OLが生き方に惑ってるブログです。

学びとは、自分の中の何かと何かが結ばれること

私のちょっと変わった仕事に「外国人留学生と行く介護の仕事を学ぶツアー」がある。県が主催するツアーに縁あって同行している。前任の先輩から引き継いだ仕事で、一日拘束される上期間中複数回あるため私を苦しめる案件の一つとなっている。しかし、今期はコロナ騒動により3月に予定されていた残りのツアーは全て中止となった。

 

一日がっつり時間を取られるが、行ったら行ったで案外楽しめる仕事でもある。ベトナム、中国、ネパール、インドネシア、インド、スリランカ、タイ、ミャンマー、フィリピンなどから日本語を学びに来た若者達と一日過ごす。たどたどしい日本語で何も知らない子供のように可愛らしく見えてしまうけど、遠い異国に飛び込む勇気と知性を持った優秀な若者達なのだ。(と、思う。)

 

彼らがなぜ日本にやって来たか、何がしたいかなんて実のところわからない。ツアーに参加した理由も知らない。生活も価値観も全然違うから、日本の感覚では計り知れないところも大いにある。それでも、若者であることは万国共通。彼らは素直で感化されやすく、好奇心にあふれた眼差しを持っている。お国柄が随所に見え隠れしながらも、可愛らしいことに変わりはない。

 

そのツアー後に行われるアンケートを集計した。このツアーの目的は、人手不足の介護職に少しでも人を増やすことである。介護職は日本の在留資格を得ることができるため、日本で働きたいならこんな方法もあるよ、という行政からの一つの提案である。アンケート内容は「介護の仕事についてどう思いましたか?」とか「日本語学校卒業後の進路は?」というごく普通のもの。最後に、ツアーの感想を自由に書いてもらう。

 

「楽しかった」「おもしろかった」というシンプル回答が多い。あまり複雑な日本語を表現できないのだから致し方ない。「介護に興味を持った」という人もいれば、「他にやりたいことがあるから興味はない」など、各々の感想が並ぶ。とにもかくにも、日本語で書いてあることに感心しながら目を通す。

 

私は一つのアンケートの回答が目に留まった。ベトナム出身25歳女性の感想である。漢字を使い、文章で書かれている。日本の小学校高学年くらいの子が書いたものだと言われても気づかないレベルである。

 

彼女の感想はこうである。

「とてもよかった体験だと思います。それに、日本の介護福祉の努力おかげで日本の平均年齢が高いのが分かりました。」(原文ママ

 

私はハッとした。

 

楽しい・おもしろい・やってみたい・興味ない等、その場限りの感情を述べるのとは違う。

彼女が持つ日本の知識と、ツアーで目撃したものが繋がったのだ。もしも彼女に「日本が長寿国である」という知識がなかったら、そのような感想は出てこないのである。「学び」とは、自分の中にある何らかの知識と、自分が見知った事象がリンクすることなのだと、私の中で繋がった。

 

学びとは、何かと何かが結ばれること。

 

新たに知ること、体験することであっても、自分とその知や体感を脳や体とリンクさせること。その他の知や体感と繋がってよりリアルに感じられること。

 

何をするにも「結ぼう」という気持ちがあることで、より意義のある体験や知識となるのだと気付かされた。

 

写真はツアーのひとコマ。漢字を使いこなす留学生たち。素晴らしいなぁ。 

しかし、写真が横になるのはなぜなの…

 

f:id:annnouim:20200210132227j:plain